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黄昏月

季節の移ろい、暮らしの記憶


by anemonexs7
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美しいもの

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こわれそうなくらい淡く儚い、夢幻かと思うようなお菓子を頂いた。

口に入れると、ほろほろさらさらと溶けて、確かな味があったのに
後味はほんのりとした余韻のみを残し消えていった。

大事に大事に食べながら思った。
音楽でも、映画でも、本でも、もちろんお店でも、饒舌に語るものよりも
間とか行間とか語らない1コマの画や一皿から伝わる何かがあるものが、
やっぱりワタシは好きなんだよなぁと。

表現とはそういうものなんじゃないかなぁ。
好きを好きという台詞やナレーションで説明、表現してしまったら、それはなんだか違う。
この一皿は、こうでああで・・・と説明されるより目で見て、香りと味で感じる、
それだけでいいのではないかと思う。

最近夜中にやっている、深夜食堂。
小林薫の静かなナレーションで声色にこめられた情感。
たった一言、同じ「あいよ」の台詞にしても嬉しさ、悲しさ、優しさ、その時々で
込められた想いが違うのだった。
そういうところに、毎回ぐっときてしまう。
アキカウリスマキの映画の語らなさだって、そういうことなのだ。

音楽にしても、歌が上手いからといって声を張り上げて得々と
歌いあげればいいってものではないんだよなぁ。
DJでも、楽しい選曲の音楽の中に、切なさや一瞬の儚さを感じるのだった。

心に響くっていうのは、そんなに簡単なものじゃないのだ。

ワタシもそんな表現ができたらなぁ。
お店でも、飾ってある花、かかっている音楽、出している料理やお菓子、
その一つ一つを大切に積み重ねて一つのお店を作りあげていきたいな。
あれこれと多くを語らずとも、皆さまに楽しんでいただけたら。

一つのお菓子をきっかけにツラツラと脳内に色んなことが浮かんでは消えていった。

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by anemonexs7 | 2015-03-14 06:47 | 甘いもの | Comments(0)